2010年4月10日土曜日

スクリーンキーボードの入力内容を、棒読みちゃんで音声出力する

1. スクリーンキーボードを利用したい

手足が不自由で、筋肉のコントロールが上手くできず、不随意な運動が生じる人にとって、普通のキーボードを打つことは難しい。

その場合、一つのキーを確実に押すために、「キーガード」を使用する。キーガードは、キーボードを覆うプラスティックの板で、キーごとに穴が開いている。これにより、間違えて別のキーを押すことを防ぐことができる。

キーガードによる入力も不可能で、ボタン一つ押す動作ができる場合、スクリーンキーボードを使う。

スクリーン キーボード | マイクロソフト アクセシビリティ によると、

標準的なキーボードを両手でスムーズに扱うことが難しい場合、キーボードの 1 つのキーやマウスなどで文字を入力することができます。

http://www.microsoft.com/ja-jp/enable/products/windowsvista/onscreenkeyboard.aspx

スクリーン キーボード | マイクロソフト アクセシビリティ via kwout

Pete

Pete(ピート) は、 Windows に標準に付いているスクリーンキーボードを高機能にしたアプリケーション。このアプリで、オートスキャン による入力を試したことがある。

Pete(ピート)オートスキャンで利用 によると、

オートスキャンモードでは、マウスの代わりにワンスイッチ入力装置を使用してソフトキーボード上のボタンを選択することにより入力を行います。

文字入力を試みると、かなり難しことが分かる。一文入力するだけで相当時間がかかった。

 

2. スクリーンキーボードと、棒読みちゃんを組み合わせて音声出力

最近、四肢が不自由で話すことができない人とコミュニケーションを取る機会があった。相手の話を聞くときは、

  1. 顔を見ながら、「あ、か、さ、た、な…」と発音していき、
  2. 頷いたところで母音に移り、
  3. もう一度頷いたのを確認してやっと一文字が確定する。

気の遠くなるような作業だった。

Windows にも、標準でスクリーンキーボード付いている。こちらもオートスキャンによる入力が可能。

スクリーンキーボードと、Skype チャットの読み上げで使った「棒読みちゃん」 を組み合わせて使うことにより、音声でコミュニケーションをとることができないだろうか。スクリーンキーボードは OS に付属しているし、「棒読みちゃん」はフリーで入手できる。PC さえあれば、どこでもお手軽に利用できる。

 

3.スクリーンキーボードと拡大鏡の起動

スクリーンキーボードを起動するために、最初に

Windows キー + U

を押して、アクセシビリティに関するツールを起動するための画面を表示する。このショートカットキーは、ユーザビリティ の U と覚えておけば良い。

img04-09-2010[3]

上記の操作で表示できない場合は、スタートメニューより

  • アクセサリ > コンピュータの簡単操作

を選択する。

拡大鏡は、スクリーンキーボードが小さい場合に利用すると良い。

 

4. スクリーンキーボードの設定

キーボードの表示をブロックレイアウトにする

オートスキャン方式で入力しやすくするために、

  • メニューより、「キーボード > ブロックレイアウト

を選択。

テンキーの表示が必要ない場合、「キーボード > 標準キーボード」にしておく。

 

オートスキャン

設定 > 入力モード」を選択。

img04-09-2010[2]

ジョイスティックまたはキーで選択する」にチェック。スキャンの間隔を適当な値に設定。

img04-09-2010[1]

デフォルトでは、スペースキーでキーの確定が行われる。

 

フォントを大きくして、クリック音を使用

デフォルトではキーボードの文字が小さかった。そこで、

  • 設定 > フォントサイズ

により、フォントサイズを大きくした。

  • 設定 > クリック音の使用

にチェックを入れておくと、オートスキャンでタイミングを合わせやすい。

 

5. 棒読みちゃん

入力された文字を読むために 棒読みちゃん をダウンロードして起動。

  1. 「音声合成タブ」の文字列を入力するフィールドにカーソルを合わせ、
  2. 上記のスクリーンキーボードを起動する。
  3. ここに入力した文字は、F5 キーを押すことによって読み上げられる。

img04-09-2010[4]

読み上げる内容は、ローマ字入力で書いても、音声で出力させれば結構聞き取ることができる。

例えば、以下のように入力して再生。

honjituwaseitennari

この書き方は、「本日は晴天なり」と入力するときと違い、「は」 を `wa’ と入力する必要がある。

ほんじつはせいてんなり

と、全部ひらがなで入力すると、「は」を `wa’ と読んでくれる。

 

6. 拡大鏡

スクリーンキーボードの表示が小さいと感じたら、拡大鏡で大きくすれば、文字の入力がしやすくなる。

  img04-09-2010[6]

 

7. Google 日本語入力

日本語へと変換したい場合は、できるだけ効率的に行いたい。

フリ-で使えて、学習機能が優れているといえば Google 日本語入力。少し長めの文でも、一度入力しておけばサジェスト機能により素早く入力できる。

サジェスト - Google 日本語入力 ヘルプ によると、

この機能を有効にすると、ユーザーが入力した単語や文章の履歴をもとに、入力途中でも的確と思われる変換候補を予測、サジェストとして表示します。

これで専用ソフトには及ばないまでも、そこそこ何とかなる。